精密検査・手術
当クリニックでは、マンモグラフィ、超音波装置、マンモトーム生検装置(腹臥位式ステレオガイド・超音波ガイド)、CTなどの最新の画像診断機器を導入し、院長をはじめとするスタッフがチームを組んで、高い水準の医療を提供することに尽力しています。
マンモグラフィ検査
乳がん検診の基本検査ともいえるのがマンモグラフィです。
乳房を板で挟み、薄くのばした状態にしてレントゲン撮影します。微細な乳房内の変化を見つけることができ、乳がんの早期発見に役立ちます。
乳房を2枚の圧迫版で挟みながら乳房内の乳腺をなるべく薄く引き延ばしてレントゲン撮影をする検査です。約12キロくらいの圧をかけますので、少々(個人差があり、あまり痛みを感じない方から強い痛みを感じる方まで様々です)痛みを伴いますが、片方の乳房撮影はわずか数分で終了しますので、怖がらないで受けて下さい。
女性のレントゲン技師が撮影を担当します。
当クリニックの臨床放射線技師は2名とも女性技師で、マンモグラフィ精度管理中央委員会(精中委)の撮影技術認定A判定を有しています。安心して検査を受けて下さい。リラックスする程良いマンモグラフィが撮影できます。
内外斜位方向撮影です。
乳腺のほとんどの範囲が撮影できるので、検診ではこの撮影方法が中心です。
頭尾側方向撮影です。
内外斜位方向撮影で写りにくい乳房の内側を、観察するための撮影です。
超音波ガイド下穿刺吸引細胞診検査
乳腺内の病変を詳細に検査するための装置です。 仰向けに寝た状態で、乳房の表面にゼリーを塗り、超音波をあてて検査をします。
超音波ガイド下穿刺吸引細胞診検査は、超音波で病変を確認しながら、乳房に細い針を差し込んで細胞を採取する方法です。
超音波ガイド下穿刺吸引細胞診検査の画像です。中央やや右側の黒い部分の中に白い針が横に刺さっているのが確認できます。確実に腫瘍の中に針が入ったことを確認した上で細胞を吸引します。
マンモトーム生検検査
マンモトームとは、マンモグラフィで見つかった小さな病変が良性か悪性かを検査するために、針で刺し、その部分の乳腺を吸い取ってくる機械です。
当クリニックではうつぶせで検査を受けるマンモトームを導入しました。
石灰化病変に対するマンモトーム生検検査
乳腺の一部に石灰化病変が確認できた場合に、この石灰化の周囲に早期乳がんが隠れている場合があるので、この石灰化を目標に乳腺組織の生検を行う検査方法です。腹這いになって台の下に乳房を垂らして乳腺を圧迫しながら針を差し込む検査です。十分に局所麻酔をした後、圧迫した乳房に約4ミリの針を差し込んで石灰化を含む乳腺組織を吸い取ってきます。
確実に石灰化病変を含む組織を採取できているかどうかをマンモグラフィ撮影で確認します。
造影CT検査
当クリニックでは、最新鋭のCT撮影装置を導入しております。
造影CT検査等をマンモグラフィと併用することにより、より精度の高いかつ正確な画像診断をすることが可能になります。
手術について
手術は基本、水曜と金曜の午後に行っております。
当クリニックでの乳がんの手術件数は2014年末で600例を超えました。
年間約80例の乳がん患者さんの手術を担当させて頂いていることになります。
当クリニックの乳がん手術患者さんの特徴は、何と言っても超早期がんである非浸潤癌の比率が高いことです。
乳がんの超早期、つまりしこりが触れる以前の乳管の中だけを広がる段階「非浸潤がん」といいいます。この段階で発見できれば全身に転移することはなく、治療をすれば、乳がんはほぼ100%治ると考えています。
正確なマンモグラフィー読影を行なったうえで、自ら受診者全員の超音波検査を行ない微小な腫瘤を発見する。腫瘤を発見できたら、患者さんへの侵襲が極めて少ない超音波ガイド下穿刺吸引細胞診で正確に腫瘍から細胞を採取する。さらに採取した細胞診標本は全て自ら検鏡して診断をつける。
もちろん細胞診で診断が困難な症例はためらうこと無く針生検あるいはマンモトーム生検を行い確実に診断をつける。
この繰り返しが当院の全手術症例に対する非浸潤癌の比率24%という非常に高い数値に結びついています。